OSM Inspector でエラーを潰している話

この記事はOpenStreetMap Advent Calendar 2017の12日目の記事で、11日目は K-Sakanoshita さんによる『OSMの活用方法(事例含む)をまとめてみます』です。

様々な作業と同様に OpenStreetMap でも編集時に意図しない操作をしてしまい不整合ができてしまう場合があります。
自分はよく昼休みに OSM Inspector を開いてエラーを潰しているので簡単に OSM Inspector を紹介しようと思います。

OSM Inspector とは

OSMにあるデータの不整合を検出して表示する品質評価ツールの一種です。 Geofabrik 社が運営しています。 データ上にある不整合は地図としてのレンダリングに直接影響を与えたり経路検索の検索結果に影響を与えたりするのでできるだけ減らしていく必要があります。
品質評価ツールはいくつか種類がありそれぞれに特徴があって表示される不整合の内容や表示され方が違うので自分の目的やフィーリングで選ぶのがいいと思います。

  • Keep Right
  • Osmose
  • JOSM/Validator
  • Maproulette
  • OSM Inspector

今使っているのはこの中の OSM Inspector です。なぜ他のツールではなく OSM Inspector にしたかというと、たまたま WeeklyOSM で紹介されていたからという理由です。
次に挙げるレイヤーの情報は各種 OSM のエディタで背景として利用することができます。例えば JOSM では画像の設定内にプリセットが用意されているので有効化して背景に設定すると衛星画像と同じ様に表示させることができます。 f:id:k-side:20171211120948p:plain

OSM Inspectorでは不整合の種類ごとにレイヤー分けして表示されています。

  • ジオメトリ
  • タグ付け
  • 場所
  • 道路
  • エリア
  • 海岸線
  • 経路検索
  • 住所
  • 水域
  • 公共交通機関

よく見るカテゴリ

埼玉県とその周辺を中心にジオメトリのレイヤーを見ています。
ジオメトリのレイヤーで主に表示されるのは次のようなエラーです。

  • ポリゴンがねじれている(self_intersection_ways) f:id:k-side:20171211121024p:plain

  • ウェイの同じ構成ノードが複数回登録されている(duplicate_node_in_way) f:id:k-side:20171211121048p:plain

OSM Inspector で表示されたエラーは地図上のアイコンをクリックするとエラーの情報や各種 OSM エディタで対象のオブジェクトを開くためのリンクが表示されます。
エディタの好みは分かれると思いますが時々マルチポリゴンのリレーションを編集することもあるので JavaOSM エディタ JOSM で読み込んで編集するのがいいと思います。ただしリンクから JOSM を開くためにはリモート制御の設定をしておく必要があります。
f:id:k-side:20171211121004p:plain

修正方法

具体的な修正方法については2015年のアドベントカレンダーで kochizufan さんが投稿されたOpenStreetMap修正に有用な操作紹介を見ていただくといいと思います。丸投げとも言います。

エラーを見ていくと普段エディタで開かない地域を開いて見ることになるので他の人がどういう編集をしているのかを確認して勉強することができます。
またアームチェアマッピングでは修正できないエラーもあるので、現地に行ってみる口実にしたり、エラー周辺を編集しているマッパーさんに連絡を取るなど無理して自分自身で修正する必要もないのではないかと思います。